債権管理

(当ページの目次)

1.債権管理の重要性
2.債権管理のポイント

3.証拠の確保
 (契約書の記載事項

4.担保の確保

5.日々の債権管理
  (与信管理)
 ・与信管理とは
 ・与信管理の基本方針
 ・与信管理の精密度
 ・与信管理の具体的手法

 


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1.債権管理の重要性

 債権の管理と回収のうち、重要なのは、債権の管理です。

 債権回収に着手する事態になれば、多大なコスト(手間と費用)が発生する上、回収不能のリスクも格段に高まります。

 適切な債権管理を実行することにより、(1)債権回収に着手する事態をできる限り減らすと共に、(2)やむを得ず債権回収に着手する場合のコストとリスクを最小限に抑えること、が重要です。

 

※当サイトにおける債権管理・債権回収に関する解説は、「一般企業の取引上の金銭債権(金銭の支払を目的とする債権)」を対象とするものであり、その他の債権には必ずしも当てはまりません。

※貸金業者の方からのご相談・ご依頼は、お受けしておりません。

 

 

 

 

2.債権管理のポイント

 債権管理のポイントは、次の3点です。

 ・証拠の確保
 ・担保の確保
 ・日々の債権管理(与信管理)

 以下、上記各点について、解説をさせて頂きます。

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3.証拠の確保

 債権回収に着手し、裁判手続を利用する場合には、債権の存在と金額を証明する「証拠」が必要となります。
 裁判手続外の交渉においても、明確な証拠があれば、優位に立つことができます。
 したがいまして、債権管理の段階で、証拠を確保しておくことが、極めて重要です。

 証拠として最も重要なのが契約書ですので、取引を行うときは、必ず契約書を作成して、保存しておいて下さい。
 加えて、取引の際にやり取りされる書面(FAXや電子メール等を含みます)も、証拠となりますので、保存しておいて下さい。
(発注書、納品書、請求書、領収書、送り状、振込票等の書面はもちろん、重要な取引については、交渉経緯が記載された書面等も保存しておいて下さい。)

 

 契約書の記載事項について

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4.担保の確保

 債権回収に着手する場合、担保を有していれば、非常に有利です。
したがいまして、債権管理の段階で、担保を確保しておくことが、極めて重要です。

 担保は、取引開始時点で確保しなければなりません。
取引開始後に、債務者(取引先)に担保を要求するのは、現実的には困難です。

 取引開始時点で担保を確保できなかった場合や、担保を追加する必要がある場合等には、取引条件や支払条件を変更する場合、又は債務者の信用状態が変化(悪化)した場合等の機会を捉えて、債務者に担保を要求して下さい。
特に、債務者から、手形の書替(ジャンプ)等支払期限の延期を求められたときは、必ず担保を要求するようにして下さい。

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5.日々の債権管理(与信管理)

 日々の債権管理の手法として、コスト・パフォーマンス(費用対効果)が高く、実際に多くの企業で採用されているのが「与信管理」という手法です。

 そこで、ここでは、与信管理の基礎について、解説をさせて頂きます。

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ⅰ.与信管理とは

 与信管理とは「各取引先ごとに、与える信用の程度を管理すること」、より具体的にいいますと「各取引先ごとに、債権残高と支払状況を管理すること」です。

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ⅱ.与信管理の基本方針

 与信管理には「絶対的に正しいやり方」というものは存在しません。

 そのため、経営者の方は「与信管理の基本方針」を明確にする必要があります。
従業員の方は、「与信管理の基本方針」に従って、与信管理を実行することになります。

 与信管理の基本方針の核心は、「リスクとリターンに対して当該企業が取るべき態度」であり、これは「経営の基本方針」から導かれるものです。

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ⅲ.与信管理の精密度

 与信管理をどの程度精密に実行するかは、各企業ごとの具体的事情(企業の規模、売上高、取引先の数等)、及び各取引先ごとの具体的事情(取引量、信用状態等)その他の事情をふまえて、コスト・パフォーマンス(費用対効果)の観点から決することになります。

 一般に、大口取引先や信用状態に不安がある取引先については、より精密な与信管理が必要となります。

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ⅳ.与信管理の具体的手法

 与信管理の具体的手法のうち、最低限実行すべき事項は、次のとおりです。

ア.信用調査
イ.与信限度額の設定
ウ.与信限度額の見直し
エ.債権残高と支払状況の正確な把握
オ.債権残高と支払状況の管理

 


ア.信用調査

 新たに取引を開始する場合、取引先の信用調査を行う必要があります。

 信用調査を行うためには、取引先に関する「あらゆる情報」を収集しなければなりませんが、特に以下の情報が重要です。

 

・商業登記事項証明書(登記簿謄本)

 新たに取引を開始する場合、取引先の商業登記事項証明書を必ず取得して下さい。

 登記事項証明書は、「現在」事項全部証明書ではなく、より多くの情報が記載されている「履歴」事項全部証明書を取得して下さい。

 履歴事項全部証明書によって、主に次の点をチェックします。

  代表者と役員の現在の構成及びその変更の経緯
  本店所在地及びその変更の経緯
  事業目的及びその変更の経緯

 

・不動産登記事項証明書(登記簿謄本)

 債権回収手続に着手する事態になった場合、最も重要な財産は、取引先が所有する不動産です。

 したがいまして、少なくとも大口取引先や信用状態に不安のある取引先については、その所有する不動産の不動産登記事項証明書(全部事項証明書)を取得して下さい。
 その第1歩は、取引先が使用している土地や建物が、当該取引先の所有物かどうかを確認することです。

 不動産登記事項証明書によって、主に次の点をチェックします。

  取引先が所有する不動産の所在、面積
  担保権の設定状況
  仮差押え、差押え等の有無

 

・営業担当者等の情報

 与信管理のために最も重要な情報は、営業担当者等が取引先から直接収集してくる情報です。

 営業担当者等は、「取引先の信用情報を収集する」という意識を常に持って、取引先に関する「あらゆる情報」(取引先の取引先、取引銀行、財務状況、不動産の所有状況、代表者・役員・従業員の人柄や異動状況、職場の雰囲気等)を「さりげなく」収集して下さい。
 特に、取引先の「変化」には、敏感になって下さい。

 もちろん、営業担当者等が収集した情報を与信管理に活用する「体制(仕組み)」を構築することも重要です。

 

・信用調査機関の情報

 信用調査機関(帝国データバンク、東京商工リサーチ等)の情報は有料ですが、詳細かつ重要な情報を入手できる可能性があります。

 したがいまして、少なくとも大口取引先や信用状態に不安のある取引先については、信用調査機関の利用を検討すべきです。

 

 

 

イ.与信限度額の設定

 信用調査の結果と与信管理の基本方針をふまえて、各取引先ごとに与信限度額(債権残高の許容限度額)を設定します。

 適切な与信限度額を設定するのは、実際には極めて難しいことです。
 それでも「一定の金額」を必ず設定して下さい。
 なし崩し的に債権残高(取引量)が増加して行くという展開が、最も危険です。

 なお、与信限度額をゼロ円と設定する場合もあります。
 この場合は、現金取引のみとする、保証金等の担保を要求する、取引をしない等の対応を取ります。

 

 

 

ウ.与信限度額の見直し

 取引を開始した後も、定期的(例えば3か月ごと)に与信限度額を見直します。

 これに加えて、取引先の信用状態が変化したとき(特に信用状態が悪化したとき)は、速やかに与信限度額を見直します。

 

 

 

エ.債権残高と支払状況の正確な把握

 与信管理の前提として、各取引先ごとの債権残高と支払状況を正確に把握する必要があります。

 そのためには、日々発生する取引について、「債権の計上」「請求」「入金確認」の各作業を正確に行う必要があります。

 

 

 

オ.債権残高と支払状況の管理

 以上の各点を実行しながら、各取引先ごとに債権残高と支払状況を「継続的」に管理します。

 この管理は「厳格」に行う必要があります(ここを緩和してしまうと、与信管理の意味がなくなります)。

 管理のポイントは次の2点です。

  債権残高が与信限度額を超えないようにする。

  支払遅滞の有無及び状況を正確に把握する。

 債権残高が与信限度額を超えた場合や、(債権残高が与信限度額を超えていなくても)支払遅滞が発生した場合等には、速やかに、取引条件を変更する、取引を一時停止する、与信限度額を引き下げる、債権回収行為に着手する等の措置を取ります。

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